2023年5月12日金曜日

東京物語を経て

 

2005年に元気が出る麻雀教室をはじめたきっかけになった、影響を受けた映画が、東京物語で、1958年公開の小津安二郎監督によるものです。この物語の続きをやりたいと思いました。数十年かけて失われたものを再生させることが、ささやかであるもののそのままエンターテイメントになると考えました。、

小津安二郎はヨーロッパで特に評価された映画監督で、黒澤明がアメリカで評価されたのとは対照的でした。

現代最もヨーロッパで評価されている監督のひとりが是枝裕和で近々「怪物」という映画が公開されます。その脚本を書いた方が坂本裕二という人で、高卒です。高卒ですが東京藝術大学の教授になられている。「怪物」の音楽を担当したのは坂本龍一で、確か東京藝術大学出身で教授ではないけど教授というあだ名でした。藝術とは、こちら側とあちら側の対話でもあると解釈しています。

僕が生まれた年、テレビアニメ「ドラえもん」がスタートしたそうです。もちろん観ていました。ドラえもんのすごい所は、未来からやって来て次から次に見たこともないテクノロジーの製品を目の前に出してくれることにありましたが、それらのいくつかはすでに現実のものとなり、あるいは近い将来一般化されるだろうと予測されているものもあります。そうなってくるとドラえもんのすごさは僕の子どもの頃とは変わって来ていて「どうしたんだいのび太くん」という相手の感情を理解しようとするところにあり、かつて他の動物と比較して語られできた人間らしさは、ドラえもんのような、計算機が進化したAIを搭載したロボット等と比較し語られていくわけで。

元気が出る麻雀教室において、僕がやりたいことは、麻雀牌や点棒のやりとりを通じて、より豊かな感情のやりとりがたくさん生まれる空間を作ることです。上手くいかないこともありますが、今後も挑戦し続けます。